Keiko's Yokohama Journal

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日本の平均寿命が下がっている ~人生100年時代は来ないと思う理由~

平均寿命が10年ぶりに降下

昨年に厚労省が公表した2021年の日本人の平均寿命は、女性が87.57歳、男性は81.47歳で、過去最高だった2020年よりも女性は0.14歳、男性は0.09歳縮まった。世界ランキングでは、男性は2020年の2位から3位に転落、女性は1位をかろうじて維持しているが、2位の韓国とは1.07歳の差しかない。

統計を取り始めた1947年から伸び続けた寿命がどうやらここで頭打ちとなったようだ。

その原因として、コロナウィルス感染が原因だと指摘しているが、一方で、癌による死亡者数が昔と比べ減ってきたとはいえ、未だ死因のトップである。また、最近では若い人の癌が増えており、特に大腸がんは20代、30代で発生する割合が高くなり、また、乳癌や子宮がんなどの婦人科系がんも増えている。それだけでなく、これまでは中高年以降に多く発生していた脳卒中くも膜下出血などの脳の病気も若い世代で発生するようになり、今後も若い人たちの患者数が増えるであろうと予想される。

日本の平均寿命=健康寿命ではない

しかし、この日本の平均寿命は疑問を呈するところがある。何故なら寝たきりになって亡くなった人も含まれており、中には回復の見込みがないのにチューブにずっとつながれて何年も生かされている人達も含まれているからだ。

日本は寝たきりが世界で最も多く、男性が9.2年、女性においては12.72年となっており、その人達を除外すると、おそらく男性は78歳、女性は80歳くらいになってくるのではないだろうか?

私が人生100年時代は来ないと思う理由

今や日本政府からも人生100年時代と言われているようだが、それはおそらく来ないだろうと思う。その理由は5つある。

一つは、私の両親や周りの人達を見ても、確かに長生きしているが、ほとんどが90歳になる前に亡くなっており、これがこの先、5年か10年くらいで劇的に変わるとは到底思えない、ということ。

二つ目は、食生活の欧米化で肉料理を食べる量が増え、動物性たんぱく質と脂肪量が劇的に増加し、また、添加物の多い加工食品が劇的に増えている。その結果、若い人たちの癌や脳卒中、糖尿病などの生活習慣病が激増しており、この傾向は今後大きく変わることは考えられない。

三つ目は、食生活や環境などの悪化により、認知症患者も増加、またASL(筋萎縮性側索硬化症)などの難病患者も増加しており、現在これらの病気に対する根本治療がないということ。また、高齢出産の増加でダウン症の子供数が増加しており、彼らの平均寿命が60歳と、一般の人達よりも短いということ。

四つ目は、コロナなどの感染症は今後もなくなることはなく、感染症による死亡者が今後も存在しつづけるということ。

五つ目は、日本では生涯結婚しない人が増加、一人暮らしの高齢者も増加しており、孤独による自殺や孤独死が今後増えると思われる。孤独死の平均寿命は61歳と言われ、平均寿命よりも20歳若い。

以上の理由で、日本人の寿命は80歳くらいと見た方が妥当と思われ、100年時代が来る可能性はまずない、と言ってよいと思う。たとえ全ての癌が治療できるようになって、人類が癌を克服できるようになっても、伸びる寿命はせいぜい長くて3年くらいと推計されているので、癌を克服したとしても、あまり寿命は延びない、ということになる。

なので、現実的に考えると、100年を見据えた生涯設計というよりは、80年、長くても85年くらいが妥当ではないかと考える。